6月のシンデレラ


「まあ永美里さん、なんて綺麗なんでしょう!」

「何と美しいことだ。天国のご両親も喜んでおられるだろう」

「ありがとうございます」


今日はついに結婚式。

家族と舞ちゃん一家、巧さん一家という本当に親しい身内のみ招いて、沖縄でのリゾートウェディングだ。

6月という梅雨の真っ只中で天気が心配だったけれど、青空が広がる晴れ模様に恵まれた。
このお天気は、天国のお父さんとお母さんからのプレゼントなんじゃないかって思ってる。


「青人は?」

「スタッフさんと打ち合わせしてると思います」

「…私は親族控室に戻ってるぞ」

「お父さん、青人に会っていかないんですか?」

「あいつにかける言葉はない」

「全くもう」


お義父さんと青人さんは相変わらずな感じだけど、これでも昔よりは話すようになったとお義母さんが言っていたので、大丈夫かなと思っている。


「お義母さん、体調はいかがですか?」

「大丈夫ですよ。ありがとう」

「具合悪くなったらすぐに言うんだよ」

「あら、青人」

「青人さん!」


白いタキシードに身を包んだ青人さんは、いつもの数億倍カッコイイ。
髪型もいつもと違ってすごく素敵。
流石は美容師さんだわ。


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