6月のシンデレラ
俳優さんだって言われてもおかしくない程カッコいいこの人が、私の旦那様だなんて…未だに信じられない。
「永美里、そろそろ時間だよ」
「はいっ」
「まあ、なんです青人ったら。こんなに綺麗なお嫁さんを見て、何もないの?」
「…母親の前で恥ずかしいだろ。そもそも永美里のヘアメやったの俺だし」
「あら、そうなの?」
そうなんです!
これは青人さんたっての希望で、今回の私のヘアメイクはすべて青人さんがやってくれたの。
青人さんは普段から私の髪を整えたりはしてくれるんだけど、まさか結婚式でもやってもらえると思わなくてとっても嬉しい。
美容師の旦那さんを持つ特権ね。
「素敵じゃない。流石ね、青人」
「永美里の魅力は俺が一番よくわかってるからね」
「青人さんったら…」
「うふふ。仲が良くて何よりだわ」
そう微笑んだお義母さんは、お義父さんの元へ戻っていった。
私は改めて青人さんをチラ見する。
やっぱり何度見てもカッコよすぎる……。
前撮りでは和服も着たんだけど、和服姿も似合いすぎてて何度でもときめいちゃうのよね。
「永美里」
「はい?」
「すごく綺麗だよ。何度でも言うけど」
「……!」
でも、やっぱり今が一番ドキドキする。
「ありがとう」