6月のシンデレラ


チャペルでの挙式の後は、ビーチフォト。
二人だけの写真はもちろん、家族写真や舞ちゃん、巧さんとも一緒に思い出を残す。

透き通った海を背景に撮る写真は、最高にフォトジェニックだ。


「……あ」


二人で浜辺を歩く写真を撮っている最中、私の靴が片方脱げてしまった。
取りに行こうとする私を制し、青人さんが取りに行ってくれて、そのまま靴を履かせてくれた。


「…永美里はよく靴を落とすよね」

「ご、ごめんなさい」

「いや、10年前も思ったけど、シンデレラみたいだなって」

「…!」

「永美里と初めて会ったのも6月だったよね」

「そうね」


だから私たちは、雨に降られるかもしれなくても、6月に結婚式を挙げたかった。
ジューンブライドとも言われる、この季節に。


「初めて会ったあの日から、ずっと永美里が好きだった」

「青人さん…」

「愛してるよ、永美里」

「私も…青人さんのこと愛してるわ」


この先、何があっても青人さんと一緒なら、きっと乗り越えられる。

病める時も健やかなる時も、ずっとあなたの隣で笑っていられますように。

この幸せが末長く続きますように――…


そして願わくば、近い未来にもう一つの夢が叶いますように。


それはまた、別のお話でね――。



fin.



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