三年越しのあの日をもう一度

叔父さんが経営している会社は美雪の父親が経営していた会社より規模が大きく、東京に本社を置き、他県に子会社を置いているらしい。

「借金返済の条件は、東北にある子会社でお父さんが働くことなの。東北に私とお母さんもついていくことが決定しちゃって……。だから、もう雨宮くんとは会えないんだ」

美雪はそう言い、悲しげに笑う。翔馬はしばらくショックで呆然としていたものの、このままで終われないと拳を握り締める。

「ここでお別れなんて、そんなの俺は嫌だ！俺、俺、卯月のことがずっと好きなんだ！」

翔馬がそう顔を真っ赤にしながら言うと、美雪は驚いた顔を一瞬見せた後、「嬉しい」と笑う。そしてこう続けた。

「でも、今の私じゃ返事をしてあげられない。三年後、二十歳になった時に私は三月二十日、この遊園地のこの観覧車の前で待ってる。その時まで雨宮くんが同じ気持ちだったら、私に会いに来て」

「そんなの、会いに行くに決まってんだろ！」