純愛トラップ ー幼馴染の聖くんの裏の顔ー【シナリオ5話まで公開】
第四話 初デート
4話 デート?
渚:(断ればよかった……)
【土曜日:10時に駅前】すれ違った時のメモをもう一度確認する渚。
ドキドキしながら、もう一度自分の服装をチェックする。
渚:(聖の隣に立つなんて、できない……)
渚なりに頑張ってアレンジはしたが、くせ毛でうまくできなかった髪に触れる。
そして、昔の延長で気まずさもあり、ゆるいパンツに、ラフなTシャツにウエスにスニーカー。
渚:(気合いれすぎて、バカだと思われたくないーー)
そんなことを思いながら、約束の場所に足取り重く向かう。
キャップをかぶり、メガネをかけて変装しているが、イケメンにみんなが視線を向けている聖の姿を発見。
渚;(あそこに行くの? いやいや 、無理無理! 絶対無理!)
回れ右をして、逃げようとした渚だったが、後ろから手を引かれる。
聖:「なんで逃げるんだよ」
低い声に渚はそろそろと後ろを振り向いた。
渚:「だって……」
まわりを気にしつつ、言葉を探す渚。
聖:「だってなに?」
渚:「みんが聖のことみてるよ。私みたいにかわいくない子が一緒にいたら恥ずかしいでしょ?」
聖;「はあ? お前何言ってる……」
ため息を付きつつも、スマホを取り出しどこかに電話をする聖。
聖:「はい、よろしくお願いします」
そう言って電話を切る聖。
渚;「聖?」
聖:「ちょっと寄り道するぞ」
そう言って渚の手を取って歩き出す聖。
渚:「ねえ。どこに行くの?」
答えない聖。
渚:「ねえ!!」
表参道のおしゃれな場所 気をくれする渚。
おしゃれなビルに入っていく聖。ビルの中には美容院や撮影スタジオなどが入っている。
天音さん:「あら、聖! どうしたの?」
聖:(おしゃれできれいな人……)
二十代ぐらいのおしゃれできれいな女性。にこやかに会話をする二人に、きおくれする渚。
渚:「この子?」
頭の先からジッと見つめる天音。
天音:「渚ちゃんって言った? いらっしゃい?」
渚;「え? あの、聖? なに?」
慌てる渚を、奥の部屋へと連れて行こうとする天音がピタッと足を止める。
天音;「聖くん、暇でしょ? ちょうど今度の仕事の衣装も上がってきてるの。フィッティングしいて」
聖:「わかりました」
天音;「じゃあ、よろしく。奥に社長もいるから」
聖:「よろしくおねがいします」
渚;「あの? え? どこに?」
個室の美容室。
天音;「座って座って」
混乱しつつも座る渚。鏡に映る自分に俯いて目をそらす。
天音;「こら、まっすぐ見て。こんなに可愛いのに」
渚:「かわいくなんてないです」
つい、そんな言葉がでてしまいハッとする。
渚;「すみません」
天音:「何言ってるの?ぱっちりとした二重に、ふっくらしたキスしたくなる唇。どこからどう見たらそうなるの?」
まったく意味が解らないと言った様子で天音が鏡越しに首をかしげる。
渚;「え、昔から男の子に間違われるほどでしたし」
天音;「えーー、それは昔でしょ? 今はこんなに可愛らしいじゃない」
渚:「そんなこと。髪もこんなですし」
天音;「そんな天音ちゃんには実際にやってからね」
そんなことを呟きながら、天音の髪をサラサラのストレートにしてくれる。そして、メイクも施してどこからどうみてもかわいい女の子に。
天音;「うーん、かわいい♡」
渚;「これ私?」
天音:「そうよ、天音ちゃんは可愛いんだから。その自己評価が低いのはなんとやめなさい。じゃあ。あとこれとこれと……」
着たことがないようなフェミニンな肩が出たホワイトのブラウスに、デニムのタイトスカートにサンダル。髪はアレンジをしてもらい、呆然と鏡に映る自分を見つめる渚。
渚:「でもどうして?」
天音:「うーん? 聖から髪をお願いしたいって。気にしてたんでしょ?」
渚:「はい……」
聖:(どうして……。怒ってる私にこんなことを)
天音;「さあ、行きましょ。でも頼んじゃったから、聖くんも仕事してるかも」
渚:「見てみたいです」
食い気味にいう渚。ビルの廊下を歩くふたり。
天音;「“ミュゼ”って知ってる?」
渚:「もちろん知ってます! 学校でも大人気のブランドです」
興奮気味に答える渚。
天音:「うれしい。私のブランドなの。元々読モした後、美容師になったんだけど、去年からアパレルにも参入したの」
渚;「すごいですね! あの甘さとカッコよさもあって私の憧れのブランドです」
いかにもできる女性といった天音に、羨望の眼差しを向ける渚。
天音「渚ちゃん、完璧にきこなしてるじゃない」
渚:「え? これ……」
渚・(ミュゼの服なの! 何か月バイトしたら払える?!)
言われるがまま着たものの、急に不安になる渚。
天音;「ここよ。今回聖にそのブランドの広告頼んでたの。近いうちに打ち合わせの時間をとるようにマネージャーに連絡しようと思ってたからちょうどよかった」
広いスタジオに、ライトを浴びてポーズをとる聖の姿。
カメラマンからの声が飛ぶ。
「聖、もっと動きを」
その指示に真剣な表情で仕事に打ち込む聖。
渚;(すごい……プロなんだ)
そこに天音さんが入っていく。
天音;「聖、今回のテーマは恋する女の子に向けての広告なの。もっと愛しいものをみるような甘い表情して。
密着して指示をだす天音さんに、ズキっと心が痛む。せっかく可愛くしてもらったのに、親密さ王な二人に嫉妬のような気持になってしまう渚。
渚:(天音さんみたいな綺麗な人といっぱいお付き合いしてきたんだろうな。聖)
そんな思いでふたりを見つめる渚。
甘い表情で天音さんを見つめる聖。
渚:(もしかして聖、天音さんのこと)
そんなことを思ってしまったところで、聖と目が合う。
こそこそと何かを話している二人。
天音:「渚ちゃん、こっちにきて」
躊躇しつつもそこへ行く渚。
変わった渚に、聖が驚いた表情を浮かべる。
聖;(やば……、めっちゃかわいい)
渚:(やっぱり変?)
そんなふたりを天音が苦笑しつつ見守る。
天音;「渚ちゃん、聖のアップしかとらないんだけど、雰囲気見たいから一緒に少し付き合ってくれる? その服バイト代で」
渚;「え? そんな、もうしわけないです」
天音;「いいからいいから。あなたよろしく」
カメラマン「OK。聖視線彼女に」
戸惑う渚に、聖が渚を抱き寄せて耳元に唇をよせる。
聖:「悪い、ちょっと付きあえ」
渚:「無理だよ! 私なんて」
聖;「私なんてって言うな。渚はかわいい。その服も似合ってる」
渚;「ッ」
仕事だからだろう、サラリと言って本当に愛する人に向けるような表情を向ける聖。
フラッシュの光がふたりを包む。
聖(仕事だから、なんでも言えてるなーー。だっさ。俺)
聖;「天音、かわいい」
聖;「天音、俺を見ろよ」
甘い言葉の数々にだんだん撮影ということも忘れて、聖から目を離せなくなる渚。
カメラマン;「聖!最高!OK」
その言葉に、我に返るふたり。照れるのを隠す聖。
天音;「聖、またよろしくね」
渚もペコリと頭を下げてビルを出るふたり。
聖:「悪かったな。付き合わせて」
渚:「ありがとう。髪、頼んでくれたんでしょ」
素直にお礼をいうのが恥ずかしい渚。でも、ちらっと聖を見ると嬉しそうな顔をしていてキュッと胸がしめつけられる。キュン
聖:「いや、俺こそ助かった。ずっと恋する気持ちうまくできる自信なかったし」
渚;(恋したことないって言うこと?)
渚;「女の子といっぱい付き合ってるのに、わからないの?」
聖;「遊びの子しかつきあわないからな」
渚;(なに、それクズじゃん。今は周りの目もあるし、私に仕返しするために私を遊びにしてるのか)
その事実を思い知って、無言になる渚。
聖:「でも、もう遊びでも女と会ってないからな」
渚;「そっか」
聖;(その意味わかってるのか?)
渚:(そんなに事務所が厳しいのか。女の子とこうして気晴らしできれば誰でもいいの?)
聖;「渚は昔からの俺も知ってるし」
渚;「気を使わなくていいもんね。私だったら」
渚;(何、聖にあってるのよ。そんな資格ないじゃん。私に)
こんなにいろいろしてもらったのに、何こんな気持ちになってるの私!
聖:「あー、もう行くぞ。今度は映画みたい」
映画を見たり買い物をしているうちに、距離が縮まり、エスコートしてくれる聖にドキドキしっぱなしの渚。
渚;(本当にデートみたい……)
渚:(どうしてこんなことするの?)
聖:「時間をすぎるのすぐだな」
暗くなってきた空を見上げる聖。
渚:(楽しかったーー。って私)
チラリと聖を見上げる。
渚:(もう少し一緒にいたい。たとえ聖のきまぐれでも)
知らない女性;「聖!!」
ミニスカートのお腹の見えたトップス、それに薄いジャケットを羽織り、キャップを深くかぶっている。とても細くスタイル抜群な美人。
聖;「アイ!」
その女性が聖の腕に手を絡ませる。目を見開く渚。
第四話終わり
渚:(断ればよかった……)
【土曜日:10時に駅前】すれ違った時のメモをもう一度確認する渚。
ドキドキしながら、もう一度自分の服装をチェックする。
渚:(聖の隣に立つなんて、できない……)
渚なりに頑張ってアレンジはしたが、くせ毛でうまくできなかった髪に触れる。
そして、昔の延長で気まずさもあり、ゆるいパンツに、ラフなTシャツにウエスにスニーカー。
渚:(気合いれすぎて、バカだと思われたくないーー)
そんなことを思いながら、約束の場所に足取り重く向かう。
キャップをかぶり、メガネをかけて変装しているが、イケメンにみんなが視線を向けている聖の姿を発見。
渚;(あそこに行くの? いやいや 、無理無理! 絶対無理!)
回れ右をして、逃げようとした渚だったが、後ろから手を引かれる。
聖:「なんで逃げるんだよ」
低い声に渚はそろそろと後ろを振り向いた。
渚:「だって……」
まわりを気にしつつ、言葉を探す渚。
聖:「だってなに?」
渚:「みんが聖のことみてるよ。私みたいにかわいくない子が一緒にいたら恥ずかしいでしょ?」
聖;「はあ? お前何言ってる……」
ため息を付きつつも、スマホを取り出しどこかに電話をする聖。
聖:「はい、よろしくお願いします」
そう言って電話を切る聖。
渚;「聖?」
聖:「ちょっと寄り道するぞ」
そう言って渚の手を取って歩き出す聖。
渚:「ねえ。どこに行くの?」
答えない聖。
渚:「ねえ!!」
表参道のおしゃれな場所 気をくれする渚。
おしゃれなビルに入っていく聖。ビルの中には美容院や撮影スタジオなどが入っている。
天音さん:「あら、聖! どうしたの?」
聖:(おしゃれできれいな人……)
二十代ぐらいのおしゃれできれいな女性。にこやかに会話をする二人に、きおくれする渚。
渚:「この子?」
頭の先からジッと見つめる天音。
天音:「渚ちゃんって言った? いらっしゃい?」
渚;「え? あの、聖? なに?」
慌てる渚を、奥の部屋へと連れて行こうとする天音がピタッと足を止める。
天音;「聖くん、暇でしょ? ちょうど今度の仕事の衣装も上がってきてるの。フィッティングしいて」
聖:「わかりました」
天音;「じゃあ、よろしく。奥に社長もいるから」
聖:「よろしくおねがいします」
渚;「あの? え? どこに?」
個室の美容室。
天音;「座って座って」
混乱しつつも座る渚。鏡に映る自分に俯いて目をそらす。
天音;「こら、まっすぐ見て。こんなに可愛いのに」
渚:「かわいくなんてないです」
つい、そんな言葉がでてしまいハッとする。
渚;「すみません」
天音:「何言ってるの?ぱっちりとした二重に、ふっくらしたキスしたくなる唇。どこからどう見たらそうなるの?」
まったく意味が解らないと言った様子で天音が鏡越しに首をかしげる。
渚;「え、昔から男の子に間違われるほどでしたし」
天音;「えーー、それは昔でしょ? 今はこんなに可愛らしいじゃない」
渚:「そんなこと。髪もこんなですし」
天音;「そんな天音ちゃんには実際にやってからね」
そんなことを呟きながら、天音の髪をサラサラのストレートにしてくれる。そして、メイクも施してどこからどうみてもかわいい女の子に。
天音;「うーん、かわいい♡」
渚;「これ私?」
天音:「そうよ、天音ちゃんは可愛いんだから。その自己評価が低いのはなんとやめなさい。じゃあ。あとこれとこれと……」
着たことがないようなフェミニンな肩が出たホワイトのブラウスに、デニムのタイトスカートにサンダル。髪はアレンジをしてもらい、呆然と鏡に映る自分を見つめる渚。
渚:「でもどうして?」
天音:「うーん? 聖から髪をお願いしたいって。気にしてたんでしょ?」
渚:「はい……」
聖:(どうして……。怒ってる私にこんなことを)
天音;「さあ、行きましょ。でも頼んじゃったから、聖くんも仕事してるかも」
渚:「見てみたいです」
食い気味にいう渚。ビルの廊下を歩くふたり。
天音;「“ミュゼ”って知ってる?」
渚:「もちろん知ってます! 学校でも大人気のブランドです」
興奮気味に答える渚。
天音:「うれしい。私のブランドなの。元々読モした後、美容師になったんだけど、去年からアパレルにも参入したの」
渚;「すごいですね! あの甘さとカッコよさもあって私の憧れのブランドです」
いかにもできる女性といった天音に、羨望の眼差しを向ける渚。
天音「渚ちゃん、完璧にきこなしてるじゃない」
渚:「え? これ……」
渚・(ミュゼの服なの! 何か月バイトしたら払える?!)
言われるがまま着たものの、急に不安になる渚。
天音;「ここよ。今回聖にそのブランドの広告頼んでたの。近いうちに打ち合わせの時間をとるようにマネージャーに連絡しようと思ってたからちょうどよかった」
広いスタジオに、ライトを浴びてポーズをとる聖の姿。
カメラマンからの声が飛ぶ。
「聖、もっと動きを」
その指示に真剣な表情で仕事に打ち込む聖。
渚;(すごい……プロなんだ)
そこに天音さんが入っていく。
天音;「聖、今回のテーマは恋する女の子に向けての広告なの。もっと愛しいものをみるような甘い表情して。
密着して指示をだす天音さんに、ズキっと心が痛む。せっかく可愛くしてもらったのに、親密さ王な二人に嫉妬のような気持になってしまう渚。
渚:(天音さんみたいな綺麗な人といっぱいお付き合いしてきたんだろうな。聖)
そんな思いでふたりを見つめる渚。
甘い表情で天音さんを見つめる聖。
渚:(もしかして聖、天音さんのこと)
そんなことを思ってしまったところで、聖と目が合う。
こそこそと何かを話している二人。
天音:「渚ちゃん、こっちにきて」
躊躇しつつもそこへ行く渚。
変わった渚に、聖が驚いた表情を浮かべる。
聖;(やば……、めっちゃかわいい)
渚:(やっぱり変?)
そんなふたりを天音が苦笑しつつ見守る。
天音;「渚ちゃん、聖のアップしかとらないんだけど、雰囲気見たいから一緒に少し付き合ってくれる? その服バイト代で」
渚;「え? そんな、もうしわけないです」
天音;「いいからいいから。あなたよろしく」
カメラマン「OK。聖視線彼女に」
戸惑う渚に、聖が渚を抱き寄せて耳元に唇をよせる。
聖:「悪い、ちょっと付きあえ」
渚:「無理だよ! 私なんて」
聖;「私なんてって言うな。渚はかわいい。その服も似合ってる」
渚;「ッ」
仕事だからだろう、サラリと言って本当に愛する人に向けるような表情を向ける聖。
フラッシュの光がふたりを包む。
聖(仕事だから、なんでも言えてるなーー。だっさ。俺)
聖;「天音、かわいい」
聖;「天音、俺を見ろよ」
甘い言葉の数々にだんだん撮影ということも忘れて、聖から目を離せなくなる渚。
カメラマン;「聖!最高!OK」
その言葉に、我に返るふたり。照れるのを隠す聖。
天音;「聖、またよろしくね」
渚もペコリと頭を下げてビルを出るふたり。
聖:「悪かったな。付き合わせて」
渚:「ありがとう。髪、頼んでくれたんでしょ」
素直にお礼をいうのが恥ずかしい渚。でも、ちらっと聖を見ると嬉しそうな顔をしていてキュッと胸がしめつけられる。キュン
聖:「いや、俺こそ助かった。ずっと恋する気持ちうまくできる自信なかったし」
渚;(恋したことないって言うこと?)
渚;「女の子といっぱい付き合ってるのに、わからないの?」
聖;「遊びの子しかつきあわないからな」
渚;(なに、それクズじゃん。今は周りの目もあるし、私に仕返しするために私を遊びにしてるのか)
その事実を思い知って、無言になる渚。
聖:「でも、もう遊びでも女と会ってないからな」
渚;「そっか」
聖;(その意味わかってるのか?)
渚:(そんなに事務所が厳しいのか。女の子とこうして気晴らしできれば誰でもいいの?)
聖;「渚は昔からの俺も知ってるし」
渚;「気を使わなくていいもんね。私だったら」
渚;(何、聖にあってるのよ。そんな資格ないじゃん。私に)
こんなにいろいろしてもらったのに、何こんな気持ちになってるの私!
聖:「あー、もう行くぞ。今度は映画みたい」
映画を見たり買い物をしているうちに、距離が縮まり、エスコートしてくれる聖にドキドキしっぱなしの渚。
渚;(本当にデートみたい……)
渚:(どうしてこんなことするの?)
聖:「時間をすぎるのすぐだな」
暗くなってきた空を見上げる聖。
渚:(楽しかったーー。って私)
チラリと聖を見上げる。
渚:(もう少し一緒にいたい。たとえ聖のきまぐれでも)
知らない女性;「聖!!」
ミニスカートのお腹の見えたトップス、それに薄いジャケットを羽織り、キャップを深くかぶっている。とても細くスタイル抜群な美人。
聖;「アイ!」
その女性が聖の腕に手を絡ませる。目を見開く渚。
第四話終わり