哀…愛
『あれ…もしかして
あなたは…?』
聞き覚えのある声に
あたしは呼び止められた
後ろを振り返ると
そこには
京都に行く新幹線で
あたしのとなりに
座ってた
あのオトコの人が
立っていた
「あ、こ、こんばんわ
こちらに
お泊りだったんですか?」
『ええ、京都には
仕事できてまして
会社から最小限の経費しか
出なくて
仕方がなく
こちらの旅館に…
まさかこんなところで
再会するなんて
偶然とは
面白いものですね』
「そうだったんですか
あたしは
予約もなにもしてなくて
探していたんですが
なかなか空いていなくて…
やっとの思いでここに…
そうですね
あたしもビックリしました」