王子様の溺愛は、とことん甘い×その甘さ、毒牙につき【エイプリルフールSS】
「…ももが敬語で喋ってる……きみ、ももじゃないでしょ?」
戸惑いと困惑、悲しみ…その他もろもろの感情が入り交じった声で、確信をついた。
「ぅ…ご、ごめんなさい…」
その表情があまりにも悲痛で、つい誤ってしまう。
さっきまでは全然表情を変えなかったのに、今は別人のよう。
やるせない感情を露わにしている。
「…はぁ。もーやだ、最悪。なんでももがももじゃなくなってるわけ?入れ替わりとか…おかしくない?どうなってるの?」
…と思ったら、今度は一気に私を責めたててきた。
「わ、私に言われても困ります…っ…!」
そんなの、私が1番聞きたいよ…。
この人のマイペースさに半ば呆れていると、覚悟を決めたように私を見つめた。
「…わかった。一緒に解決策探そ」
「……え?」
「見た目がももでも、中身が違ったら意味ないじゃん。可愛い彼女を元に戻すためなら、僕だって頑張るし」