王子様の溺愛は、とことん甘い×その甘さ、毒牙につき【エイプリルフールSS】
そう判断した上で言葉遣いには気をつけてきたはずなのに、今ので完全にバレた気がする。
だって、見てほしいこのイケメンの顔。
「芙羽梨じゃない……僕の芙羽梨をどこにやったの?」
それはもう、この世の終わりとでも言いたげな絶望しきった顔で私を見てきた。
震えた声で肩を掴まれ、私はちょっとしたパニックになる。
「そ、そんな事言われたって、わかるわけないじゃないですか…!!」
それはこっちのほうが聞きたいよ…!
それに、私の言い方がちょっとおかしかったくらいですぐに気づくなんて、正直びっくりした。
もしかしたら、本当にこの2人はカップルなのかもしれない…。
だとしたら納得がいく…と考えていると。
「って、引っ張らないでください…!」
今度は腕を捕まれて引っ張られていて。
「少し話をしよう?君がどこの誰なのか、芙羽梨がどこにいるのか…教えてもらわないと、不安で不安で死にたくなってくる」