王子様の溺愛は、とことん甘い×その甘さ、毒牙につき【エイプリルフールSS】
3人で、文字通り頭を抱えてしまった。
「芙羽梨はなんかない?私、ももと何話してたか全く覚えてないんだよね」
「えっ…うーんと……」
秋本さんに言われてまた思い返すけど、やっぱりわからない。
「ちょっと秋本、自分の記憶力がないからって宮村困らせないでよ」
瑞樹さんは秋本さんをじろりと見てから、呆れたように咎めた。
「し、仕方ないじゃん…!どうでもいい話ばっかりしてるんだから!」
それに反論する秋本さんも、眉根を寄せて困っている。
「どうせ私の記憶力はニワトリで……っあ!!」
そんな不貞腐れたように口を尖らせていた秋本さんの表情が、何かを思い出した時の顔になった。
もしかして、元に戻る方法がわかったのかな…?
少し期待をして秋本さんを見る。
それは瑞樹さんも同じようで、固唾を飲んで見守っていると。