王子様の溺愛は、とことん甘い×その甘さ、毒牙につき【エイプリルフールSS】
芽奈を思い浮かべると、「なんか言った?」っていう文句が帰ってきそうで、つい笑いそうになる。
って、今芽奈のことを考えてる暇なんてなかった…!
すぐに思考を切り替えようとしたとき、ん?と何かが引っかかった。
でも、あともうちょっとというところで出てこない。
…も、モヤモヤする。
あともう一歩というところまで来ているから、なおのこともどかしい。
そんな時、水瀬さんが天井を仰いで呟いた。
「本当なら、昨日芙羽梨に貸した携帯小説の話してるはずだったのに…」
線と線が繋がった瞬間。
「水瀬さん、それです…!」
私はそう叫んでいた。
そんな私を、香月さんと水瀬さんは同時に見てくる。
多分…いや、絶対そう。
私は確信を持って口を開いた。
「私も昨日、友達に借りて携帯小説を読みました」
「…詳しく聞かせて欲しい」