王子様の溺愛は、とことん甘い×その甘さ、毒牙につき【エイプリルフールSS】
香月さんにそう言われて、私は昨日芽奈に勧められた携帯小説を買って読んだ話を2人に教えた。
「絶対それだ。何でかわかんないけど、もうそれしかないでしょ」
水瀬さんも、私の話を聞いて強く同意している。
「水瀬さん、その本って…」
持ってたり…するわけないか。
さすがに諦めようと思ったら、水瀬さんは本を1冊取り出してドヤ顔をした。
「私、その小説大好きだから布教用にもう1冊持ってる」
「す、凄すぎます…!」
布教用っていうのは気になるけど…いや、今はいいよね。
「…じゃあ伊咲さん、読んでみて」
「はい」
香月さんに言われた通り、水瀬さんから渡された小説のページを開いた。