王子様の溺愛は、とことん甘い×その甘さ、毒牙につき【エイプリルフールSS】
もも side
──…んん、眩し…。
目を少し開いてコンマ1秒経つか経たないか。
「ももっ…!!」
「ぅわっ…!?み、瑞樹く…」
「っよかった…ももがいる…っ…」
今まで見たことないくらい取り乱した瑞樹くんが、私に飛びついてきた。
今にも泣きそうなほどにか細い声は、私の胸を締め付けるのに充分で。
「っ…うん、いるよ。大丈夫」
苦しいのに…あったかい。
瑞樹くんがこんなに私のことで焦ってくれている。
そのことが、苦しみを上回るくらい嬉しいんだ。
「ももが…生きてる…」
「……え、芽奈…?」
瑞樹くんの腕の中にいるから顔が見れないけど、この声は芽奈に違いない。
「っうぅ〜よがっだぁ…!!死んじゃったかと思っだぁ…っ」
「死…!?それは大袈裟じゃ…」
ぼろぼろと泣く芽奈も、私は1度だって見たことがない。
いつも笑ってる芽奈が、こんなにも泣いているなんて…。