王子様の溺愛は、とことん甘い×その甘さ、毒牙につき【エイプリルフールSS】
私は美少女ではないし、ハッキリ言える性格でもない。
内気…というのは少し共感できたかも。
詩音先輩は無気力なんて言葉、一生当てはまらないよね。
でも、あの小説のヒーローがヒロインを大事に思っているのが伝わってきた。
そういうところは、私を大切にしてくれている詩音先輩と同じかも…なんて思っちゃったりして。
そんなことを思いながら眠りについたら、まさかこんなことになるなんて…。
「…あ、もしかしてこれって制服…かな?」
少し部屋を見て回っていると、高校の制服に見えるものを見つけた。
…あまりこういうことはしたくないけど…。
「ご、ごめんなさい…!」
私は誤りながら、スクールバッグのファスナーを開けた。
そして見つけたのは、この女の子の写真が貼ってある学生証。
…『伊咲もも』これがこの子の名前?
じっとしていたって仕方がないと思った私は、戻るための手がかりを探すことにした。