イケメンシェフの溺愛レシピ
番外編~ローマの甘い休日~
甘く苦いローマ
ローマの夕焼けを眺めながら、バールのテラス席で綾乃は同じ色合いのアペロールを口に含む。
ほんの少しだけ苦味のある甘い液体が胸の内までゆっくりと溶け込んでくるような夕方だった。
苦味と甘味。まるで人生がそういうものだと教えてくれているみたいなイタリアのお酒と景色。
隣を見ると哲也がいくらかリラックスした表情で街の様子を眺めていた。彼にとって第二の故郷ともいえる懐かしい土地。そこに一緒に来ることができたことは、とても喜ばしいことだ。
そう、これは人生で一度きりのハネムーン。
店内改装の期間を設けて、スタッフたちにも休暇を取ってもらって、イタリア旅行へ新婚旅行をしようと思っていた綾乃だった。
が、しかし。
「綾乃さん!これめっちゃおいしいですよ!」
トマトとオリーブがのせられたブルスケッタを口に入れた智香が嬉しそうに言う。
その隣では若いスタッフの内田圭太が三角形の形をしたサンドイッチのトラメッツィーノを頬張っている。
「えっ!また飲むんですか?」
さらにその横でルビー色の液体を優雅に口に含む笹井マネージャーが普段は見せないようなのびのびとした表情で言った。
「研修旅行なんだから、勉強しないと」
「マジメ、Bravo!食べて飲んで、勉強シマショー!!」
そしてその横でブロンドのヘアをイタリアの太陽でいっそう輝かせるフラヴィオが微笑んだ。
どうしてこうなったのか…綾乃は一人瞑想するように瞳を閉じた。
ほんの少しだけ苦味のある甘い液体が胸の内までゆっくりと溶け込んでくるような夕方だった。
苦味と甘味。まるで人生がそういうものだと教えてくれているみたいなイタリアのお酒と景色。
隣を見ると哲也がいくらかリラックスした表情で街の様子を眺めていた。彼にとって第二の故郷ともいえる懐かしい土地。そこに一緒に来ることができたことは、とても喜ばしいことだ。
そう、これは人生で一度きりのハネムーン。
店内改装の期間を設けて、スタッフたちにも休暇を取ってもらって、イタリア旅行へ新婚旅行をしようと思っていた綾乃だった。
が、しかし。
「綾乃さん!これめっちゃおいしいですよ!」
トマトとオリーブがのせられたブルスケッタを口に入れた智香が嬉しそうに言う。
その隣では若いスタッフの内田圭太が三角形の形をしたサンドイッチのトラメッツィーノを頬張っている。
「えっ!また飲むんですか?」
さらにその横でルビー色の液体を優雅に口に含む笹井マネージャーが普段は見せないようなのびのびとした表情で言った。
「研修旅行なんだから、勉強しないと」
「マジメ、Bravo!食べて飲んで、勉強シマショー!!」
そしてその横でブロンドのヘアをイタリアの太陽でいっそう輝かせるフラヴィオが微笑んだ。
どうしてこうなったのか…綾乃は一人瞑想するように瞳を閉じた。