旧知の名家ホテル王は懐妊した斜陽旅館令嬢を人生を賭けて愛し尽くす
 レストランからウェイターが駆け足で出てきて、私達の方へと近づいてくる。
 「お待ちしておりました、白城様。こちらへどうぞ。」
 ウェイターに案内されて、私達はレストラン内へ。
 広々とした店内は天井も高く、高級感があって余裕たっぷり。
 私の想像した通り、店内の蒼い窓から外の世界を覗くと、全てが海底に沈んだかのように蒼く写る。
 街中のスカイタワーでさえも、海の中に漂ってるようになっている。
 「蒼い世界にようこそ、凛子。」
 麟斗君も、この蒼い世界がお気に入りのようで、その感動と神秘を私と分かち合いたかったようだ。
 素晴らしいことが幾重にも折り重なって、胸の高鳴りが止まらない。
 ウェイターは私達を奥にあるVIPルームへと案内する。
 部屋の扉が開くと、天井でさえも蒼いガラスで覆われている煌めく世界へと案内された。
 間接照明やキャンドルの光が、幻想的な世界を演出する。蒼と黄色のコントラストが絵画のよう。
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