神山銀二の受難
雨 チビ

お腹が空いて目が覚めた。
最初の感覚は固い床。

ここはどこだろう?


起き上がって辺りを見回す。

暗い。

夜だ。



行き交う人の流れ。
皆無関心を決め込んで誰も僕を気には掛けない。



……ここはどこだろう?


だんだん意識がはっきりしてきて、頭が回転し始める。



……僕はどうしてここにいるんだろ?




……僕はだぁれ?



わからない……。





『だれか……、誰かたすけて』

擦れた声で叫ぶ。




誰も気には掛けない。







雨が降ってきた。

寒い。





皆足早に駆けていく。





あぁ……。




諦めかけたとき



大きな温かい手が僕を抱きしめた………

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