神山銀二の受難
たまには難を逃れたい

一週間後。


お局様こと乙姫愛華は見事連続女性殺害事件の被疑者を逮捕した。




というか、実際にはお局様の名前をかたった芦原と俺の手によってなんだが。

(名前を無断でかたったことにより、お局様から後でむちゃくちゃ怒られた)




犯人は葬儀社に勤める三十代の男だった。

葬儀に使われたユリや菊なんかの大量の花を捨てるゴミ捨て場が犯行現場となり、被害者の髪に花粉が付着したようだった。


被疑者は毎日遺体を轢く列車の先頭に乗車していたらしい。

何とも言い難い。



それはそうと逮捕の決定的な決め手になったのは、実はチビだった。



チビが被疑者と一緒にいた可能性を導いた俺は、チビの身元を割り出すためにインターネットサイトに情報を流した。

愛華というハンドルネームで。




イチかバチかだったが、これに見事に被疑者が引っ掛かってきた。

そのときは俺も驚いた。



乙姫愛華の名前でそのままメール通信に誘い込み、相手の身元を割り出した。



その後、チビに付着していた汚れと被害者の髪に付着していた花粉のDNAが一致することが判明。


証拠を固めて逮捕に踏み切った。



被疑者はニセ乙姫愛華も殺すつもりだったらしい。



詳しい動機なんかは今後の厳しい取り調べで明らかになるだろう。



しかし。

『チビ、お前どうするよ?』


こいつをどーしようか。


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