神山銀二の受難
早朝呼出し チビ

ピリリッピリリッピリリッ。


何かの音で目が覚めた。


取り敢えず隣の布団の中でもぞもぞ動く銀二を起こしたほうがよさそうだ。


『銀二起きて。何か鳴ってる』


両手でぺちぺち銀二の顔を叩いた。


『あぁ?ん、なんだチビ。いてぇーよ……』


その時銀二が物凄い勢いで枕元の黒い小さな箱を掴んだ。


音がとまった。




『おぅ。神山だ。……なんだ芦原、こんな朝早くからどうした………なにぃっ』

銀二の表情が変わった。


銀二は誰かと話している。



『うん、うん。わかった。俺も直接現場へ向かう』



それから銀二は何かバタバタひっくり返しながらヨレヨレのスーツに着替えて部屋を出ていった。



…………。



『忘れるとこだったぜっ』


銀二は慌てて引き返し、今度は僕を抱きかかえてまた部屋を出ていった。


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