日替わりケーキとおしゃべりタイム
「久々に会ったんだから、仲良くしなさい」

呆れ気味に戻ってきたお母さんは、私の前に綺麗にラッピングされた袋を置いた。

「ほら、優璃」

お姉ちゃんは、お母さんの言葉に、渋々口を開く。

「お土産よ。飛鳥に」

えっ

「ありがとう…」

お土産、私の分準備してくれてたんだ…。

包みを開けると、紅茶の茶葉の入った丸い小さな缶と、小さく折り畳まれたエコバックが入っていた。

「…チョコは、この季節は溶けるから、やめといた。…さっきは、意地悪な言い方したわ」

「ううん、お土産、ありがとう…」

私たちのやりとりを見て、お母さんはふふふっと微笑んだ。












「お父さんと、何話してたの?」

帰りの車の中、井上くんに尋ねたけれど、

「男同士の秘密」

それしか答えてくれなくて、リビングを出て30分、一体どんなやりとりがあったのか分からないまま。

「緊張したら、腹減った」

そう言って、井上くんが指差したのは、この辺りでは美味しさとボリュームで有名なハンバーガー専門店。

「寄っていい?」

「うん、もちろん!」

私も昔はよく通ったお店だけど、最近は全然食べてない。チーズバーガーがとても大好きで、毎回注文してたな。

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