日替わりケーキとおしゃべりタイム
「優璃さんは、結構クールなのな」

「クールというか…まあ、私と真逆」

やっぱり、井上くんも色々思うことがあったのかな。

いつもよりは、お姉ちゃんのイライラは軽減されてたとは思うけど…オーラがちょっと…。

「確かに、飛鳥とはタイプが違うな。大丈夫？俺、失礼なことしてなかった？」

「ううん、大丈夫だよ。さすが井上くんって感じだった」

答えにくい質問にも、冗談混じりで明るく返してたし、本当にすごいと思う。

「どんなことがあっても、俺は飛鳥の味方だから」

井上くんは、いつも私のほしい言葉をさらっと言ってくれる。

「ありがとう」

そう言って微笑み、私は最後の一本となったポテトを口へ運んだ。そして、最後のお楽しみのシェイクへと手を伸ばす。

「こういうお店でも、デザート的なのは欠かせないんだな」

くくくっと笑った井上くんは、食べ終わったハンバーガーの包みを丁寧に折りたたむ。

「やっぱり最後は甘いものじゃないと」

ストローで吸い上げると、濃厚なバニラの味が口の中へ広がる。

おいしい。昔と全然変わらない、安定の美味しさ。

思わず顔がにやけてしまう。

「俺が好きな顔だ」

「えっ？」

突然呟かれ、私の顔が火照っていく。


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