日替わりケーキとおしゃべりタイム
「なんか冷たいのでも食う?」

砂浜から上がったところにある、道路を挟んだ向かい側の喫茶店を指差す井上くん。

喫茶店の前に出されている旗には、〝かき氷〟〝ソフトクリーム〟の文字が見える。

「うん!」

ちょうど冷たいものを食べたい気分だったから、テンションがグッと上がって顔がにやける。

エアコンの入っている店内の窓際の席に座って、2人でメニュー表眺める。

あっ、ハニーラテがある。

「私、これにする」

「いいの?ソフトクリームとかじゃなくて」

私が選んだものが意外だったらしく、井上くんはそう言って確認する。

「うん、私、ハニーラテ好きなの。井上くんは?」

「俺は、アイスコーヒー。すいません、注文お願いします」

注文したあと、2人で向かい合って待っている時間が、とても心地がいい。

「ここから、あと1時間くらいかな」

「じゃあ、お昼前には着きそうだね」

「うん。お昼ご飯は、外でお店見つけて食べようか」

「うん!」

どんなお店があるのかなと想像するだけで、頬の筋肉が緩む。

そんな私をみて、井上くんは優しく微笑んだ。











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