日替わりケーキとおしゃべりタイム
「飛鳥、いらっしゃい」

いつものように爽やかな笑顔を向ける直樹。

「お久しぶりです」

直樹にも負けないくらいのキラキラオーラを放っている律くん。

「わぁー久しぶり、律くん!」

私に会いたい人って、井上くんの弟の律くんだったんだ。

「ふふふっ。飛鳥さん、やっぱり可愛い」

「な、何言ってるの」

さらっとそんなお世辞言うものだから、ものすごく恥ずかしくなってくる。

「りっちゃん、飛鳥のこといじめないで」

くすっと笑った直樹は、そう言うと私の座ったカウンターに透き通ったゼリーを置いた。

ふわっと、フルーティーの香りが漂う。

「りんご?」

「正解」

と、なぜか律くんが満面の笑顔で言った。

「これ、りっちゃんが作ったんだって」

えっ

「律くんも作る人なの?」

てっきりホールの人なのかと思ってた。

「うん。デザート担当ね」

「そうだったんだ」

スプーンですくうと、プルッとスプーンの上でふるえるゼリー。

美味しそう。

口に入れると、上品な甘さが口の中へ広がり、ちょっと残っている果実がいいアクセントになっている。

食欲なかったけど、これなら食べれそう。

「律くん、これすごく美味しい」

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