日替わりケーキとおしゃべりタイム
酸味の効いたフルーツ氷
ちょっと体が重いなあ。昨日は早めに寝たのに、目覚めがスッキリしなかった。
でも、井上くんは私よりも辛い状況に置かれている。
副社長室に向かいながら、久々に会うことが出来ることに緊張が入り混じる。
ノックをしたけれど、返事はなく、でも鍵はかかっていなかったから遠慮気味に扉をゆっくりと開ける。
あっ…
以前、一度だけ座ったふかふかのソファーに、井上くんはワイシャツ姿で寄りかかり、目を瞑っていた。
お腹の辺りに広げられている資料が、微かに聞こえる寝息と同じリズムで上下する。
久々に目にする井上くんの姿に、胸がキューッと締め付けられた。
起こしてしまわないように、テーブルにゼリーとサンドイッチの入った紙袋をそっと置く。
近くにあったスーツの上着を手に取って、ゆっくりと井上くんの体にかけた。
「…飛鳥?」
「ご、ごめん…起こしちゃった」
慌てて謝ると、私がいることに驚いていた井上くんは、表情がくしゃっとなり、緊張のほぐれた、少しだけ泣き出しそうな表情に変わった。
そして、そっと私の腰に腕を回して抱き寄せて、まるで小さな子どものように、私の腹部に顔を埋めた。
恥ずかしさよりも、こんなに弱々しい井上くんの姿を目にした動揺の方が大きくなる。
でも、井上くんは私よりも辛い状況に置かれている。
副社長室に向かいながら、久々に会うことが出来ることに緊張が入り混じる。
ノックをしたけれど、返事はなく、でも鍵はかかっていなかったから遠慮気味に扉をゆっくりと開ける。
あっ…
以前、一度だけ座ったふかふかのソファーに、井上くんはワイシャツ姿で寄りかかり、目を瞑っていた。
お腹の辺りに広げられている資料が、微かに聞こえる寝息と同じリズムで上下する。
久々に目にする井上くんの姿に、胸がキューッと締め付けられた。
起こしてしまわないように、テーブルにゼリーとサンドイッチの入った紙袋をそっと置く。
近くにあったスーツの上着を手に取って、ゆっくりと井上くんの体にかけた。
「…飛鳥?」
「ご、ごめん…起こしちゃった」
慌てて謝ると、私がいることに驚いていた井上くんは、表情がくしゃっとなり、緊張のほぐれた、少しだけ泣き出しそうな表情に変わった。
そして、そっと私の腰に腕を回して抱き寄せて、まるで小さな子どものように、私の腹部に顔を埋めた。
恥ずかしさよりも、こんなに弱々しい井上くんの姿を目にした動揺の方が大きくなる。