日替わりケーキとおしゃべりタイム
「…井上くんは、知ってるの?」

直樹の言葉に、首を横に振る。

「…今はまだ言えない。ちょうど大変な時だから」

「でも…「お願い、律くんにも内緒にしてて…」

直樹を見て、真っ先に浮かんだのは律くんの顔。律くんに知られたら、井上くんにも伝わってしまう。

「…分かった…」

困ったように優しく微笑む直樹に、私の胸がキューッと苦しくなる。

困らせてごめん…。

「疲れてたのはこういうことだったんだね」

「うん…。私も昨日納得した」

「そっか…。お腹の子、元気だった?」

「…うん。元気に心臓動いてた」

「飛鳥の子ども、すごく可愛らしいんだろうな」

「ふふっ。気が早いよ、直樹」

何気ない会話だけど、少しずつ緊張や戸惑いが和らいでいく。

「俺、飛鳥の子どもの、良いおじちゃんになる自信あるよ」

ニコッと天使スマイルを向ける眩しい直樹。

「おじさんには到底見えなそうだけどね。ふふふっ。あっ、そう言えば、サンドイッチすごく美味しいって井上くん言ってたよ」

そう直樹に伝えると、嬉しそうにニコッと微笑んだ。





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