日替わりケーキとおしゃべりタイム
あとは、冷やして固まるのを待つだけだな。りんごゼリーを美味しそうに食べていた飛鳥の表情を思い出して、きっとこれなら美味しく食べられると思った。

シンクに溜まった洗い物をいつもの流れで綺麗に片付ける。時計を見ると、まだ20時前だった。

早い時間に飛鳥に会ったから、いつもより夜の時間が長く感じる。

手をエプロンで拭いて、スマホを手に取る。

滅多に使わない連絡帳を開いて、画面をスクロールしていく。

あった。

番号変わってなければいいけど…。

電話をかけて、長い呼び出し音を聞く。出てくれるだろうか…。

『はい、百瀬です。どうした、随分久しぶりじゃないか円堂』

「ご無沙汰してます、百瀬さん。お元気でした?」

『おう、俺から元気とったら何も残らないからな』

電話越しに聞こえる、昔と変わらない豪快な笑い声に、ほっと胸を撫で下ろす。

「ならよかった。あの、折り入ってご相談があるんですが…」

『おう、なんでも言ってみ。聞くのはタダだからな』

ケラケラと笑う百瀬さんが、電話越しでタバコの煙を吐いたのが分かった。

「実は…」














早朝、もう一度ばあちゃんの喫茶店に来て、パテから手作りしたハンバーガーを完成させる。

俺が、ここまでするのは飛鳥のため。飛鳥が幸せにならないと、俺は全然嬉しくないし、こんなに飛鳥の彼氏にも尽くしてあげられない。

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