日替わりケーキとおしゃべりタイム

肉汁たっぷりハンバーガー②

パタンとしまった扉の音が聞こえ、俺はフラフラっとソファーに座る。

手出すって…いや、冗談だろうけど、円堂くんが本気になったら俺絶対敵わないだろ。

困る。とっても困る。

テーブルの上の名刺を見つめて、一体円堂くんはどんな人脈を持っているのかすごく気になって来た。前職って、どこだったんだ?

でも…今、俺が優先するべきことは、明日の夜、3人の社長に会った時にしっかりと伝えることができるように準備をすること。

コーヒーカップを片づけて、パソコンを開き、今まで以上に簡潔に、要点を絞った資料を作り直す作業に入った。


















アンティーク調の扉が開くと、一昨日のスーツ姿とは印象がガラリと変わった円堂くんがカウンター越しに姿を表した。

俺を見て、眩しすぎるくらいの笑顔で、

「いい報告?」

と一言。

俺は、持っていた紙袋を円堂くんの目の前のカウンターに置いた。

「ありがとう。円堂くんのおかげ」

俺の言葉に、さらに眩しい笑顔を向けた円堂くんは、紙袋を受け取って、中身を見た。

「このロゴって、たまごサンドのお店の?」

お洒落なパックを取り出した円堂くんは、すごく嬉しそうだった。

「そう。ここのハンバーガーも美味いから、ハンバーガーのお礼にハンバーガーを差し入れ」

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