日替わりケーキとおしゃべりタイム
「ご、ごめ「…梅田」

気に触ることを言ってしまったのかもしれないと思い、謝罪の言葉を述べようとした私の言葉を遮った梅田くんと目が合う。

「俺の彼女になる？」

「…え？」

まさかまさかの言葉に、私の思考がフリーズする。

彼女？

私が？

井上くんの？

「…なぜでしょうか」

「…えっと…梅田に幸せを感じてほしいから」

井上くんの答えに、ますます私の思考回路が混乱する。

「…そこに私や井上くんの恋愛感情はなくていいわけないよね…？」

お互い好き、とかちょっといいなっていう感情があって恋人になるのが一般的な流れなのでは…。

「…梅田は違うかもしれないけど、俺は、初めからずっと梅田のこと好きだよ？」

…え？

井上くんの言葉に、私の身体が急激に熱くなる。

「ま、待って。初めからって…どこから？」

「入社式」

動揺する私とは対照的に、ニコッと余裕の微笑みで答える井上くん。

入社式って、特に井上くんとの接点なかった気もするけど…。

「ま、そのことは置いといて…答えは、週明けにでも聞かせて。ほら、夜道危険だから家まで送ってく」

立ち上がってシンクにグラスを置く井上くんの後ろ姿を見ながら、私は週明けまでに返事をしないといけないこの状況に動揺していた。
< 15 / 167 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop