日替わりケーキとおしゃべりタイム
「うん、そうするよ。ありがとう」

快く受け取ってくれたことに、内心ほっとして円堂くんのお店を後にする。

飛鳥の家へと向かう足取りが、とても軽いのは、円堂くんの紹介してくれた会社と話がいい方向でまとまりそうだから。

早く、飛鳥に会いたい。肩の荷が、少しだけ軽くなった今、久しぶりにゆっくりと流れる時間を共有したい。

そう思うと、自然と表情が緩んでいくのが分かった。











飛鳥の家のインターホンを鳴らすと、お風呂上がりだったようで、髪の毛が湿ったままの飛鳥が扉を開けた。

穏やかな笑顔に、俺の心が癒されていく。

「どうぞ」

「うん。お邪魔します。あ、これ円堂さんから」

箱を渡すと、飛鳥はきょとんとして、俺を見る。

「直樹のところに行ってきたの?1人で?」

「うん。実は、仕事うまく行ったのは、円堂さんの紹介があったからなんだ。だから、お礼を言いに」

俺の言葉に、飛鳥は安心したように微笑んだ。そして、さっそく、箱を開けて中身を見ると、目がキラキラと輝いた。

気になって箱の中を覗くと、フルーツゼリーの上に、飾り切りされた果物が乗っているものが4種類入っていた。

「すげーな。宝石みたいだ」

「うん」

飛鳥は、オレンジゼリー手に取って、まじまじと見ている。



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