日替わりケーキとおしゃべりタイム
お姉ちゃんの言葉を聞いて、私の行動の遅さにイライラしていたり、キツく当たられていた時のことを思い返す。

確かに…そう思って振り返ってみると…そう言う感情だったのかもと思えてくる…。

「…こんな話、面と向かってすると思わなかったわ…」

「…ご、ごめん」

私が聞いちゃったから…。

「…でも、あれね。相手に嫌われてるってはっきり思われてるのは、キツイものがあるのね」

「そ、それは」

苦笑いのお姉ちゃんに、私は慌ててフォローを入れようとしたけれど、お姉ちゃんはふふっと笑って、日本酒の入ったグラスを再び空にした。

「悪かったわ。これからはちょっと優しくする」

初めてかもしれないって思うくらいの優しい表情のお姉ちゃんに、私の胸が小さく、キュンとした。

「お姉ちゃん…明日一緒に買い物に行く?」

「大丈夫よ。私、一人ショッピング好きなの」

立ち上がって、シンクでグラスを洗うお姉ちゃんが、やっぱりちょっとだけ寂しそうに見える。

そう思って見ていると、お姉ちゃんが手を止めて顔を上げた。

「それに、デートでしょ?変な気は遣わないで」

そう言ったお姉ちゃんは、いつものはっきりとした言い方で言い切った。

でも…もしかしたら強がってるだけなのかも…。

そうだ…

「せっかく来たんだし、夜ご飯一緒に食べに…行こう?」

私の言葉に、お姉ちゃんは驚いた表情を見せる。




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