日替わりケーキとおしゃべりタイム
「私のお気に入りの所があるの」

「飛鳥の…？」

頷くと、お姉ちゃんは

「せっかくだし…そうするわ」

と答えて、お風呂に向かった。

私は不思議な気持ちのまま、スマホを手に取って電話をかける。

長い着信音の後に、私の癒しの元となる人物の声が聞こえた。

『珍しい』

「うん。あのね、今お姉ちゃんが私のところに来てるんだけどね…」

『えっ？優璃姉が？』

予想通りの驚いている声が聞こえた。

「明日の夜、直樹の所連れて行ってもいい？お姉ちゃんにも直樹の料理食べてもらいたくなって」

『別に構わないけど…。飛鳥が優璃姉と一緒に出かけるなんて…嵐が来るの？』

「そういうわけじゃ…ただ、お姉ちゃんも色々あるんだなって分かったから…」

さっき、まさかそんな気持ちだったなんて…と思うことばかり聞いたから…私もちゃんと歩み寄ろうかなって思った。

『何か準備しておくよ』

「うん。ありがとう」

電話を切って、胸の前で小さくガッツポーズをする。

まさか自分からお姉ちゃんのためにこうやって動くことができると思っていなかったから。

楽しみができて、ちょっとだけワクワクした気持ちになった。


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