日替わりケーキとおしゃべりタイム

しゅわしゅわメロンクリームソーダ

「へー、じゃあお姉さんとちゃんと話せたんだ?」

「うん」

井上くんに、昨日と今日のお姉ちゃんとのやりとりを伝える。

「確かに、俺ちょっとだけなら優璃さんの気持ち分かるかも」

そっか、井上くんも長男だから…。

「親の期待があると、それ以上に頑張らなきゃって思っちゃうんだよな…」

そうだったんだ…。

「まあ、俺なんかとは比べられないくらいもっと辛かったんだろうな。あっ…ところで、今日行きたいところある?」

井上くんの言葉に、私はちょっと考え込む。最近、井上くんが忙しすぎて、全然一緒にお出かけしていなかったから、迷ってしまう。

それに、妊娠中だから、いろいろ考えちゃう。

「…あのさ、飛鳥が好きそうな場所知ってるんだけど、そこ行く?」

「うん!」

私の好きそうな場所って、どこだろう。












車で20分くらい走ると、海沿いに出た。そこから5分ほど走って、山を車で走ると、小さなレストランが見えた。

こんなところが近くにあったなんて、全然知らなかった。

「可愛いお店」

そう呟いて、シートベルトを外すと、同じようにシートベルトをはずした運転席の井上くんが嬉しそうに微笑んだ。


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