日替わりケーキとおしゃべりタイム
聞き返すと、井上くんが苦笑いで口を開く。
「…一時期、不貞腐れてとんがってたんだ、俺」
「井上くんが?」
驚いて、井上くんの今の姿から色々な姿を想像したけれど、全然思い浮かばない。
「…あら、名字変わったの?」
「あっ、ちょっと色々あって。飛鳥はこっちの方が呼びやすいみたい」
そっか、井上を名乗ったのは、入社してからだった…。今は草加部に戻してるから、本当は私も草加部って呼んだ方がいいのかな。
近藤さんに案内されて、海を一望できる窓側の席へと座る。
「ゆっくり選んでね」
メニューと呼び鈴を置くと、ホールの奥へと消えていった近藤さんの後ろ姿を見送って、井上くんに視線を戻す。
「近藤先生には、本当にすごくお世話になったんだ。ちゃんと大学行けたのも、近藤先生が担任だったからだと思う。…えっと、どれにする?」
ゆっくりとめくってくれるメニューはどれも手書きで、可愛らしいイラストも添えてある。
あっ…
「これにしようかな…」
私が指差したものは、バニラアイスの浮かんだメロンクリームソーダ。昔ながらのさくらんぼの乗っているものだった。
「他には、食べるのはいらない?」
飲み物しか選ばなかった私を気遣う井上くんの言葉に、私は小さく頷いた。
「食べるなら最後まで美味しく食べたいけど、今はその自信がなくて…」
「…一時期、不貞腐れてとんがってたんだ、俺」
「井上くんが?」
驚いて、井上くんの今の姿から色々な姿を想像したけれど、全然思い浮かばない。
「…あら、名字変わったの?」
「あっ、ちょっと色々あって。飛鳥はこっちの方が呼びやすいみたい」
そっか、井上を名乗ったのは、入社してからだった…。今は草加部に戻してるから、本当は私も草加部って呼んだ方がいいのかな。
近藤さんに案内されて、海を一望できる窓側の席へと座る。
「ゆっくり選んでね」
メニューと呼び鈴を置くと、ホールの奥へと消えていった近藤さんの後ろ姿を見送って、井上くんに視線を戻す。
「近藤先生には、本当にすごくお世話になったんだ。ちゃんと大学行けたのも、近藤先生が担任だったからだと思う。…えっと、どれにする?」
ゆっくりとめくってくれるメニューはどれも手書きで、可愛らしいイラストも添えてある。
あっ…
「これにしようかな…」
私が指差したものは、バニラアイスの浮かんだメロンクリームソーダ。昔ながらのさくらんぼの乗っているものだった。
「他には、食べるのはいらない?」
飲み物しか選ばなかった私を気遣う井上くんの言葉に、私は小さく頷いた。
「食べるなら最後まで美味しく食べたいけど、今はその自信がなくて…」