日替わりケーキとおしゃべりタイム
直樹は、シフォンケーキを作るときに残った茶葉で入れた紅茶を一口飲む。

「浮いた話、聞いたことなかったんだから、信用できる人だと思うけどな」

「それはそうだけど…」

「あれだよ。飛鳥は自分に自信がなさすぎ」

直樹の言葉は、私の気持ちをズバズバと言い当てていく。

さすが、幼馴染。

「…どう考えたって、自信を持てる要素がどこにもない」

「ったく…。じゃあ、俺の知っている飛鳥のいいところ教えてあげる」

えっ?

予想外の流れに、レモネードを飲む私の動きが止まる。

「まず…頑張り屋さんで、実は負けず嫌い」

「ま、待って。やっぱり、恥ずかし「最後まで諦めないし、実は面倒見がいい」

私の静止を無視して、にこやかにどんどん言葉を続ける直樹。

私はもう一口レモネードを飲んで恥ずかしさを我慢する。

「あっ、あと、素直で可愛い」

「…もう、よくそんな言葉幼なじみに言えるわね」

「幼馴染だからじゃなくて、飛鳥だから言えるんだろ」

「えっ?」

シフォンケーキを口に入れていた私は、思わず直樹を見る。

直樹は優しい笑顔を私に向ける。

「飛鳥は可愛いよ」

「…か、からかわないでよ」

幼馴染とはいえ、こんな言葉言われると恥ずかしくてまともに顔が見れなくなる。



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