日替わりケーキとおしゃべりタイム
「からかってないよ。小さい時から、ずっと可愛いって思ってる」

クスッと笑って、天使のような童顔の顔が私の俯いた顔を覗き込む。

「な、直樹に言われても、嫌味に聞こえる」

昔っから整った顔で、可愛らしくて、大人から『可愛い』と言われてきた直樹。

中学に上がると上級生の女子に大人気で、告白されまくり。高校は、別々の高校だったけど、彼女とデートしてる姿は何度も目撃してた。

しかも彼女はいつも超美人か、超可愛い系。そんな人たちと一緒にいた直樹から見て、私が可愛いだなんて、からかわれているとしか思えない。

「…まあいいけど。とにかく飛鳥は、もう少し自信持った方がいいってこと」

直樹はそう言って、紅茶をまた一口飲んだ。

私は恥ずかしさを打ち消そうと、レモネードをごくごくとストローで飲む。

冷たさと酸味で、熱った体が少しずつ落ち着いていく。

ブーッブーッ

バックの中のスマホが振動する音が響き渡り、慌てて手に取る。

えっ…

着信画面には、井上くんの名前が表示されていて、私の心臓が大きく跳ね上がった。

そういえば私、井上くんの連絡先知ってたんだっけ。スマホで連絡取り合ったことなかったから、すっかり忘れてた。


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