日替わりケーキとおしゃべりタイム
「他にも色々あるんだね」

「うん。ちょっとずつ追加して食べるといいよ」

ひと通り注文をし終えて、お通しとカクテルがテーブルの上に置かれる。

「じゃあ、とりあえず、一週間お疲れ」

井上くんはグラスを持って、私のグラスに軽く合わせる。

「うん。お疲れ様」

井上くんと、こうやって2人で飲むことは初めてで、なんだかとても不思議な感覚。

じゃなくて…私、昨日、目の前の井上くんに告白されてたんだよね…。

いまだに信じられない事実。

「体調は?」

「おかげさまで、すっかり全快」

両腕を曲げて、元気さをアピールすると、井上くんはいつも通り笑い飛ばす。

「やっぱり梅田は元気が取り柄だよ」

そう言って、ビールをごくごくと飲み干すと、井上くんはじっと私の顔を見る。

そして、ふわっと優しく微笑むと、お通しを食べ始めた。

今の一瞬の間は、一体…。

「これ、すげー美味い」

井上くんの言葉に、私もお通しを口へと運ぶ。

生ハムとクリームチーズ、トマトのバランスがとても良くて、ちょっぴり多めのブラックペッパーが絶妙なアクセントになっている。

「美味しい」

お酒のすすむ、素敵な味。

< 23 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop