日替わりケーキとおしゃべりタイム

アイスの浮かぶコーヒーフロート

目を覚ますと、つい先日見たばかりの天井が広がっている。

隣から寝息が聞こえて、ゆっくりと体の向きを変えると、私の方を向いて腕枕をしている井上くんが熟睡していた。

…こんな早い展開になるなんて、自分でも思っていなかった。

昨夜の光景を思い出して、恥ずかしさが込み上げてくる。

『気が変わったら、引っ叩いて正気に戻していいから…』

ベットの上の私を見下ろして、井上くんはそう言って上半身の服を脱いだ。

優しく丁寧に触れる井上くんに対して、気が変わるなんてことはなく、私はそのまま身を委ねた。

整った顔してるなあ…。

寝顔をまじまじと見れば見るほど、井上くんが、私に好意を持ってくれたことがいまだに信じられないと思えてくる。

そういえば…体の関係持ったけど…私まだちゃんと答え出してない…。

はっとして、順番が逆になってしまったことへの罪悪感が募って行く。

目を覚ましたら…伝えよう。

昨日、拒まなかったのは、もう私の答えは決まっていたからだと自分に言い聞かせる。

井上くんの寝顔を見て、そう心に決めて、起こさないように、そっと胸板におでこを当てた。


< 32 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop