日替わりケーキとおしゃべりタイム
二度寝って、贅沢で、やっぱりなかなか起きれないもの。

ついさっき、寝たはずなのに、隣にいたはずの井上くんの姿がなくて、カーテンの隙間からは眩しい光が差し込んでいた。

時計を見ると、まもなくお昼の12時を指すところで、慌てて上体を起こす。

着替えようと思って、下着に手を伸ばそうとした時、

ガチャッ

部屋の扉が開いた。

「あっ、わ、悪い」

私の姿に顔を背けた井上くんと、慌てて布団を纏う私の間に、恥ずかしさの混じった微妙な空気が流れる。

私を見ないように顔を背けたまま、

「洗面所にタオル置いてあるから、シャワー使って」

と言い、井上くんは部屋の扉を閉めた。

昨日の今日だから、いざ顔を合わせると恥ずかしい。

そう思いながら、お言葉に甘えてシャワーを浴びることにした。








「…シャワーありがとう」

「うん。お昼なんか食いに出る?」

コーヒーを淹れながら尋ねる井上くんは、まだ私の顔は見ない。

「うん。あ、一度家に戻って着替えてもいい…?」

「そうだよな。うん、そうしよう」

やっぱり井上くんは視線を逸らしたままそう言った。


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