日替わりケーキとおしゃべりタイム
ミルクと砂糖たっぷりのコーヒーを受け取って、向かい合わせに座る。

このまま目があわないままだったら嫌だな…。もしかして…私がまだ答えを伝えていないからなのかな…。

一口、コーヒーを飲んで私は小さく深呼吸をした。

「「あ、あの…」」

2人の声が被って、やっとお互いの視線が交じり合う。

「梅田からでいいよ」

「あっ、うん…えっと…、昨日伝えないままだったんだけど…」

そこまで言って、心拍数が上がる。ゆっくりと息を吸って、言葉を続けた。

「…まだ、自信は全然ないけど…私でよければお願いします」

彼女が務まるかどうか、全然自信がないけれど、一歩踏み出してみようかなと思う。

井上くんは、くしゃっと嬉しそうに笑って、小さく頷いた。

「…良かった…。昨日、順番逆になっちゃったから…梅田が後悔してたらどうしようって、不安になってた…。そっか…ありがとう」

『ありがとう』

と言ってもらえたことが不思議で、私の心が温かくなっていった。















「お待たせ」

自宅マンションに戻って着替えて、駐車場で待っていた井上くんの元へと戻る。

「意外と早かったな」

「うん。そんなに普段からお化粧時間かからないから」

助手席に乗ってシートベルトをつける。

「ついでに寄りたいところある?車だし、荷物大きめでもいけるし」




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