日替わりケーキとおしゃべりタイム

ナッツたっぷりのキャラメルケーキ

疲れた…。

フル稼働だったこの1週間、明日が休みということに、この1週間の疲れがどっと押し寄せてくる。

アンティーク調の扉を開けると、癒される声が聞こえた。

「久しぶり」

「うん、久しぶり。あー…もう限界」

カウンターにうなだれると、優しく頭をポンポンと叩いた直樹。

「お疲れだね。というか、週末だけど、彼氏とデートしないの?」

「今週火曜日から出張中。明日の朝帰ってくるの」

「忙しいんだね。彼氏も」

そう言ってケーキをカットする直樹。

「はい、5種のナッツのキャラメルケーキ」

小さめにカットされたケーキをおしゃれなお皿にのせて、私の前に置く。

ふわっと甘い香りが、疲れた私の身体を包み込んでいく。

「頂きます」

小さく切って、フォークで口へと運ぶと、体の隅々まで糖分が行き渡った。

「んー…最高」

美味しすぎて、体の力がふにゃっと抜けてしまうそうになる。

「相変わらず、いい表情」

くくっと笑った直樹は、腕まくりをして、作業台に寄りかかり、ケーキを食べる私を見守っている。

そういえば…

「この前、紗智ちゃんと会ったよ?」

「うん。紗智から聞いた。あいつ、なんか変なこと言ってなかった?」

「…?そういえば、直樹のこと、馬鹿って言ってた…かな?」

冗談めかしてそう言うと、直樹は小さく「やっぱり」と呟いて苦笑いをした。

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