日替わりケーキとおしゃべりタイム
「紗智の勝手な人生プランがあったらしいよ。まあ…気にしなくていいから」

「うん?」

人生プランって…すごいな、まだ高校生なのに。

私なんて、人生無計画で進んできた気がする。

「良かったじゃん。飛鳥のこと理解してくれる彼氏が出来て。順調なんだろ?」

順調といえるほどまだ長い付き合いではないけれど、私のことをよく理解してくれているのは確か。

頷いて微笑むと、直樹もふわっと優しく微笑む。

「飛鳥が幸せそうで何より」

「…今度、連れてきてもいい?」

「うん。飛鳥の彼氏、会ってみたい」

直樹はそう言うと、さっきのキャラメルケーキの残りをカットして、箱に詰めてくれた。

「これ、日持ちするから、ちょっとずつ食べなよ」

「うん!ありがとう」

ブーッブーッ

バックの中からスマホの振動音が響き渡る。

取り出すと、画面には井上くんの名前が表示されている。

「彼氏?」

「うん。ちょっと出てくるね」

「うん。いってらっしゃい」

外に出て、電話に出る。

『もしもし』

「もしもし。どうしたの?」

『実はさ、予定より早く終わって、今、会社戻って少し資料整理したところなんだ』

「会社に?」

『うん。もう少ししたら、会社出るけど…飛鳥、今から会いにいってもいい?』

電話越しの声に、胸がきゅっと締め付けられる。

出張といっても、数日しか経ってないのに。






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