日替わりケーキとおしゃべりタイム
「飛鳥の一生懸命さ、見てる人絶対いると思うよ?」
直樹がそう言った直後、厨房の隅の棚に置いてあったスマートフォンが鳴り響いた。
すぐに電話に出る直樹。
「うん。日は跨ぐと思うから、先寝てて。うん。おやすみ」
私に話しかける時よりも、もっともっとゆっくりに、そして優しく話す直樹。
おそらく電話の相手は、妹の紗智ちゃん。
電話を切って、くるっと私の方を向き直ると、直樹は私の元へと戻ってきた。
「紗智ちゃん?」
「うん。早く帰ってあげたい気持ちもあるけど、まだ、オーブンでスポンジ焼いてる途中だから」
「紗智ちゃんも高校生になったんだもんね。彼氏とかできちゃったりして」
「えっ」
冗談半分で言っただけなのに、ギョッとした表情を見せた直樹。
「ご、ごめん。冗談」
こんな過敏に反応するなんて思ってなかった。
「…心臓に悪い」
そう言って、ほっと息を吐いた直樹に、私はちょっと罪悪感。
両親が直樹が中学生の頃に交通事故で亡くなってから、直樹と紗智ちゃんはおじいちゃんとおばあちゃんに育てられてきた。
だから、直樹は紗智ちゃんのお父さんみたいな立場らしい。
直樹がそう言った直後、厨房の隅の棚に置いてあったスマートフォンが鳴り響いた。
すぐに電話に出る直樹。
「うん。日は跨ぐと思うから、先寝てて。うん。おやすみ」
私に話しかける時よりも、もっともっとゆっくりに、そして優しく話す直樹。
おそらく電話の相手は、妹の紗智ちゃん。
電話を切って、くるっと私の方を向き直ると、直樹は私の元へと戻ってきた。
「紗智ちゃん?」
「うん。早く帰ってあげたい気持ちもあるけど、まだ、オーブンでスポンジ焼いてる途中だから」
「紗智ちゃんも高校生になったんだもんね。彼氏とかできちゃったりして」
「えっ」
冗談半分で言っただけなのに、ギョッとした表情を見せた直樹。
「ご、ごめん。冗談」
こんな過敏に反応するなんて思ってなかった。
「…心臓に悪い」
そう言って、ほっと息を吐いた直樹に、私はちょっと罪悪感。
両親が直樹が中学生の頃に交通事故で亡くなってから、直樹と紗智ちゃんはおじいちゃんとおばあちゃんに育てられてきた。
だから、直樹は紗智ちゃんのお父さんみたいな立場らしい。