日替わりケーキとおしゃべりタイム
そういえば…

「直樹と律くんの関係は…?」

「あー、俺のバイト先の店員」

直樹は、そう言って、律くんに親しげに笑顔を向ける。

「りっちゃん、飛鳥は俺の幼馴染」

「世間って狭いもんだね」

律くんの言葉通りだと思う。4人がそれぞれ繋がりのあったことに驚きしかない。

「じゃあ、俺たちそろそろ帰ろうかな」

ペットボトルの飲み物を直樹のベット横のテーブルに置きながら、井上くんが言った。

「デート?」

「うん、まあそんなとこ。律、また後で連絡する。円堂さん、お大事に」

「あっ、うん。卵サンドごちそうさま」

手をひらひら振る直樹に私も手を振って、律くんにお辞儀をし、病室を後にした。

少し前を歩いていた井上くんは、しばらくすると私の方を振り向き、いつもの優しい笑顔を向ける。

私は、差し伸べられた井上くんの手をとって、並んで歩きはじめた。

「もう少し律くんと話さなくてよかったの?」

「いつでも会えるから。あいつも今日はお見舞いに来たんだろうし」

それもそうか。

「なんか腹減らね?どこか食べ行く?」

「うん、井上くん何食べたい?」

「うーん、洋食?飛鳥は?」

「私も!パスタ食べたくなっちゃった」

私たちは、たまたま通りで見つけた洋食屋さんに入ることにした。







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