日替わりケーキとおしゃべりタイム
「…じゃあ、お言葉に甘えて」

少し戸惑いが混じりながらも、井上くんはそう答えて、再び私と手を繋いだ。

「すっかり恋人同士じゃん」

直樹はクスッと笑って、私を見ると、前を向いて歩き始めた。

手を繋いでるところ、知ってる人に見られると結構恥ずかしいんだな…。

そう思いながら、井上くんと並んで、直樹の後ろをついていった。











「へー…すごいな」

お店を見て、井上くんが感心した様子で呟いた。

「そこのベンチに座ると、ちょうど花火が開いた時に、綺麗に見れるよ。もうすぐだから座って待ってて」

直樹は私たちにそう言うと、お店の中に入っていった。

「綺麗に維持されてるんだな」

井上くんは、お店の周りを見渡してそう言うと、ベンチにゆっくりと腰掛ける。

「定期的に手入れしてるみたい」

草取りをしたり、中の拭き掃除をしたり、結構、料理以外のこともちゃんと考えて準備している直樹を知ってるから、こうやって褒めてもらえると、私も嬉しい気持ちになる。

「…そりゃ、体に負担かかってるはずだ。飛鳥、隣座ったら?」

「うん」

井上くんの隣に座って、夜空を見上げる。今日は天気が良かったから、星がすごく綺麗。

「…髪、アップにするのも似合うんだな」

「あ、ありがとう…」

急に褒められて、驚いた私は、ぎこちない返事をしてしまう。

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