彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

鎖の行方

 
 終業後、菜摘は彼とマンションへ向かっていた。今日は仕事で帰れないと実家には連絡した。

 いつもなら買い物をして彼のために夕飯を作るのだが、今日はそんな気分でなかったので、マンションへ帰ってからデリバリーを頼もうということになった。

 俊樹は彼女の様子が変なので、とにかく菜摘の言うとおりにしようと余計なことは言わずに帰ってきた。

 部屋へ入り、着替えるとデリバリーを頼む。その間に彼女がコーヒーを入れてくれる。

 あっという間にデリバリーが来た。マンションの下にあるカフェのメニューだ。

 俊樹が玄関からデリバリーの料理をリビングのテーブルに運んできた頃には菜摘がすでにコーヒーを並べ終えて座っていた。

 
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