彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
料理を出して食べようと声をかける。
黙々と食べる。食欲がないわけではないんだなと少し安心した。
菜摘は食べてしっかりしないといいたいことが話せないかもしれないと思っていた。
お酒が飲みたいくらい緊張していたが、飲むと感情的になってしまうので、やめていた。
それに対して、彼はコーヒーを飲み終わるとワインを並べて飲み出した。
「俊樹さん。さっきも言いましたけど、私が業務部の仕事を選んだら、お付き合いも秘書の仕事も終わりということなんですね?」
「そうだな。俺としてはそういうつもりだ。お前にそうさせる気はないがな」
菜摘は自信ありげな彼を見た。
「どうしてそういう考えに至るのか聞いていいですか?普通は仕事とプライベートは別です」