彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
 
 「そうかもしれないが、俺の中では一緒だ。俺は妻には仕事中も一緒にいて欲しいと思っている。公私一緒にいると言っただろ.忘れたか?」

 妻にも?まだ、妻じゃないのに。

 「私はまだ妻ではありませんけど……」

 「ああ悪い。俺にとって恋人と妻は同義だ。わかりやすく言おう。俺は浮気とかしないし、出来ないタイプでね。だからこそ、恋人はとことん選ぶ。今まで関係を持った女性は少しくらいはいたが、心を預ける女性はいなかった。特定の恋人は作っていない。そういうことだ」

 あっけにとられる。なんですって?

 「俺と恋人になるということは俺に鎖で縛られることだ。一生ね。その覚悟で俺は君を選んだ。意味が違うと朝言ったのはそういうことだよ。君にはその覚悟がないようだ。だが、俺を捨てることはできないだろ?」

< 104 / 109 >

この作品をシェア

pagetop