彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
「ようやくわかりました。どうして私?正直俊樹さんの周りにはたくさんの女性がいると思うんですけど。私より従順で女性らしい人が。秘書だとしたらその方達のほうが適任でしょ?」
俊樹は、じっと見た。
「お前、ホントにそんな風に思うのか?自分の価値に気付いてないのか?新村君と戦ってまで俺がお前を欲しがるのに……」
「……え?だって、色気もないし、仕事にしか興味ないこんな私。巧は同期でプロジェクト一緒にやってきたから俊樹さんとは違う視点で私を見てると思うし」
俊樹は急に睨んだ。
「菜摘。俺を怒らせたいのか?新村君のほうが俺より君のことを理解しているといいたいのか?」
「そういう意味じゃないってば。俊樹さんは私のどこがいいの?」
「お前の能力、一途さ、おもねらないところ、もちろん夜に見せた女としてのお前も合格だ」