彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
「もしかして、君か?営業二課の高橋君から推薦されて入ったって子……」
「はい、そうです。実家で取引をさせて頂いておりまして、お声がけいただきました」
「高橋君が推薦するんだから、これは期待できるだろうと課長とも話していたんだが、想像以上だったな。長田君。大型新人登場だ。君も頑張って」
「はあ……」
長田さんは頭をかいている。
「いやはや、大型新人どころか五年目くらいの勢いです。喫茶店での経験に裏打ちされた提案なんですよね。実際に使ってみているからこその意見もあって、太刀打ちできませんよ」
部長はうなずいて、声をかけた。
「森川さん。君、今回のプロジェクトに入りなさい」