彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

 そんな馬鹿な……。

 「ま、それは冗談として、とにかく頑張って」

 手を振っていなくなる。はあ。プレッシャーなんですけど。

 結局プロジェクトはまだ新人なので勉強する立場。先輩たちのやることを見て次回以降に生かすという立場だった。

 部長は先行投資と言っていたけど、どうかな。でも個人的には勉強になった。

 「森川さん、ちょっと」

 二年目に入った春。

 部長から呼ばれた。

 「春は異動の季節だ。うちも、新しい本部長が来る。この人は業務は初めてだ。今年のプロジェクトをやりながら彼の秘書もやりなさい」
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