彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
「そうだよね。私も絶対おかしいと思うんだ」
彼は箸を振り回している。
「というかさ、菜摘が仕事できるから利用してるんだろ。信用されているとも言えるけどさ」
「そうかなあ」
「まあさ、とにかくやるしかないじゃん。役員様なんだから。とりあえず、プロジェクトはただの業務部員として参加するんだからそっちは俺とコンビで今年は獲るぞ」
獲るとは提案賞。
「もちろんだよ。去年は悔しかったもんね。頑張ろう」
ふたりでハイタッチする。